月次決算データ集約を自動化する方法

2026.08.08
月次決算のデータ集約を自動化する方法

月次決算が遅い会社と速い会社の差は、仕訳の速さではありません。差がつくのは締めの前半 ── 複数のシステムからデータを抜き出し、突き合わせ、整合を確かめる作業です。担当者の作業時間の60%以上をこのデータ抽出・統合が占めるケースもあります。本記事では、freee会計・Salesforce・kintoneなどに散らばるデータの集約と整合性チェックを自動化し、締めのリードタイムを約5営業日から最短1日へ短縮する考え方を解説します。

01 締め作業の6割は「データを集めて整える」仕事

月次の締めと聞くと会計処理を思い浮かべますが、実際の時間の内訳は違います。販売システムから売上を抜き、経費精算から費用を集め、kintoneの案件データと突き合わせ、金額の合わない行を探す ── 会計判断の手前にある「運搬と照合」が時間の大半を占めます。

この運搬と照合は、判断を含まない定型作業です。定型である以上、フローに置き換えられます。そして自動化の効果は時間だけではありません。人手の転記・突合で起きていた見落としが、毎回同じルールで機械的にチェックされるようになります。

02 月次締めの自動化でできること

  • 複数システムからの自動抽出:freee会計・Salesforce・kintoneなど、締めに必要なデータを各システムから自動で抽出します。
  • 統合と突き合わせ:抽出したデータを共通のキーで統合し、販売と会計の金額照合などの突き合わせを自動で行います。
  • 整合性チェックと異常検知:金額の不一致・欠損・異常値を自動検知し、担当者へ通知します。
  • 締めリードタイムの短縮:データ集約が自動で終わっている状態から締めを始められるため、約5営業日かかっていた締め処理を最短1日まで短縮できます。

03 連携の仕組み|抽出・統合・整合性チェック

1

抽出(各システムから月次データを集める)

締め対象期間のデータを、freee会計・Salesforce・kintoneそれぞれのコネクタで自動抽出します。月初の決まった時刻にスケジュール実行します。

2

統合(共通キーで突き合わせる)

取引先・案件・部門などの共通キーでデータを統合します。販売側の売上合計と会計側の計上額のように、照合すべきペアをここで揃えます。

3

検証(整合性チェックと通知)

金額不一致・欠損・前月比の異常値をルールでチェックし、引っかかった項目だけを担当者へ通知します。人は差異の原因調査と会計判断に集中できます。

freee会計・Salesforce・kintoneなど複数システムのデータを自動で抽出・統合し、整合性チェックの結果を担当者へ通知する月次締め自動化の構成図
構成パターン:月次締め処理の自動化 ── 複数システムのデータ集約(連携カタログ 会計編より)

04 Passworkでの実現方法 ── 異常は通知、判断は人

Passworkでは、抽出・統合・チェックの一連をノーコードのフローとして組み、月初に自動実行できます。設計思想として大事にしているのは「機械は照合と検知まで、判断は人」という分担です。異常の疑いがある行はSlackやメールで担当者に届き、最終的な会計判断はこれまで通り経理が行います。自動化されるのは判断ではなく、判断の材料集めです。

販売データのfreeeへの自動登録(転記の自動化)と組み合わせると、締めの前半工程はほぼ無人になります。提供元のPraztoは350社超のデータ連携・導入支援の実績で、締めフローの棚卸しから自動化の設計まで伴走します。

05 業務での具体的な活用例

販売実績と会計計上の自動照合(経理)

Salesforceの受注合計とfreeeの売上計上を部門・月のキーで自動照合し、差異のある組み合わせだけを通知。「どこかで合わない」を探す時間がなくなります。

経費・請求データの欠損チェック(経理)

kintoneの案件データに紐づくはずの請求が漏れていないかを機械的に検査します。請求漏れ・計上漏れの発見が締め作業の中に組み込まれます

締め進捗の見える化(管理部門)

各システムからの抽出状況・チェック結果をダッシュボードで共有し、「締めがどこまで進んでいるか」を関係者全員が把握できるようにします。

06 まとめ:締めの速さは、集約の自動化で決まる

月次決算の短縮は、会計処理を急ぐことではなく、その手前のデータ集約と照合を自動化することから始まります。抽出・統合・整合性チェックをフロー化し、異常だけが人に届く形にする ── 締めの朝、データがすでに揃っている状態を作れば、月次は「追われる仕事」から「確認する仕事」に変わります。

この記事の構成図は「Passwork連携カタログ 会計編」からの抜粋です

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