MySQL連携を、SQLの手作業から解放する── 自社アプリのデータベースをBI・SFAとつなぐ

2026.07.12
MySQL連携を、SQLの手作業から解放する── 自社アプリのデータベースをBI・SFAとつなぐ

ECサイト、会員制サービス、社内の業務アプリ ── その裏側でいちばん大事なデータを抱えているのが、たいてい MySQL です。受注も、会員も、在庫も、ここに溜まっている。なのに、分析や他システムへの連携になると、毎回エンジニアに SELECT を頼んでCSVをもらう ── そんな運用になっていませんか。PassworkのMySQLコネクタは、条件式やSQL直接実行でのデータ取得から、INSERT・Upsert・UPDATE・DELETEまでを、コードを書かずにフローで扱えます。この記事では「MySQLコネクタで具体的に何ができるのか」を、操作単位のカタログとして整理します。

01 MySQLとは ── アプリの「本当のデータ」が眠る場所

MySQL は、世界でもっとも広く使われているオープンソースのリレーショナルデータベースです。WordPressのようなCMSから、自社開発のECサイト・予約システム・会員ポータル、さらにはSaaSプロダクトの裏側まで ── Webアプリケーションを支える「保存先」として、長年デファクトの位置にあります。Amazon Aurora(MySQL互換)やMariaDBといった派生・互換系を含めれば、その守備範囲はさらに広がります。

MySQLに溜まっているのは、その会社の事業そのものの一次データです。注文テーブルには売上の明細が、会員テーブルには顧客の属性と連絡先が、在庫テーブルには今この瞬間の数量が記録されている。SFAやBIにあるのは多くの場合その「写し」であって、正となるトランザクションはアプリのMySQLに書かれている ── というのが現実です。

だからこそ、連携したくなります。経営は、このMySQLの数字をBIで毎朝見たい。マーケは、会員データをメール配信やCRMに渡したい。逆に、他システムで整えたマスタやスコアを、アプリのMySQLに書き戻したい。ところが基幹DBは触り方を誤ると事故に直結するため、実務では「エンジニアにSQLを書いてもらう」「夜間バッチを一本足す」といった、属人的で重い運用に落ち着きがちです。Passworkは、この出入りを宣言的なフローに置き換えます。

アプリの一次データ(受注・会員・在庫)がMySQLに溜まり、BI・SFAへの連携が手作業のSQLエクスポートに頼っている様子を示した図

02 PassworkのMySQLコネクタでできること(操作カタログ)

MySQLコネクタは、データを取り出す(入力)側と、書き込む(出力)側の両方に対応しています。ここでは、実際にコネクタが提供している操作を、業務の言葉に翻訳して並べます。掲載しているのは、いずれもコネクタが実装している操作だけです。

入力 ── MySQLからデータを取り出す

操作 区分 できること
レコード取得
mysql_read
入力 / 取得 スキーマ・テーブルを指定し、条件式のUIで絞り込んで SELECT します。複数条件の組み合わせ(AND/OR)に対応し、値はバインド化されるためSQLを直書きせず安全に取得できます。日付などはシステム変数テンプレート(例:実行日)を条件に差し込めるので、「前日分だけ」「当月分だけ」といった定期取得がそのまま組めます。取得件数の上限も指定できます。
SQL直接実行
mysql_query_sql
入力 / 取得 条件式UIでは表現しきれない集計やJOINが必要なとき、SELECT系のクエリを直接書いて実行できます。対応するのは SELECT / WITH / SHOW / DESCRIBE / EXPLAIN といった参照系。複雑な分析クエリの結果を、そのままフローの次のノードへ渡せます。

出力 ── MySQLへデータを書き込む

操作 区分 できること
レコード挿入
mysql_insert
出力 / 書込 マッピングに沿って、複数行を一括 INSERT します。バッチサイズを指定して大量行も効率よく投入。テーブル自動生成(autoCreateTable)を有効にすると、受け取ったデータに合わせてテーブルや列を自動で用意できるため、新しい連携先テーブルをゼロから受け皿として作る用途にも使えます。
レコードUpsert
mysql_upsert
出力 / 書込 INSERT ... ON DUPLICATE KEY UPDATE を実行します。キー列(UNIQUE / PRIMARY KEY)を指定し、無ければ追加・あれば更新を1操作で。差分を気にせず「最新の状態に揃える」同期に向き、何度流しても結果が同じ(冪等)な定期連携が組めます。
レコード更新
mysql_update
出力 / 書込 キー列の一致する既存行を UPDATE します。挿入はせず更新だけを行いたいとき ── ステータスやスコア、最終アクセス日といった特定カラムの一括更新に使います。
レコード削除
mysql_delete
出力 / 書込 条件式で対象を指定して DELETE します。安全装置として条件は必須(空のWHEREは拒否)となっており、テーブル全削除のような事故を防ぎます。期限切れデータの定期パージなどに。

ここがポイント

注目したいのは、MySQLコネクタが「読む」だけでなく「書く」全パターン(挿入・Upsert・更新・削除)を網羅していることです。多くの連携ツールはDBを「データソース(読み取り元)」としか扱いません。Passworkでは、MySQLを連携の出口としても使えるため、後述する「他システムの結果を基幹DBへ書き戻す」リバースETL的な使い方が成立します。

MySQLコネクタの6操作(条件式取得・SQL直接実行・挿入・Upsert・更新・削除)を入力と出力に整理した操作カタログの図

03 具体的ユースケース ── 取得・同期・更新

① 自社ECのMySQLを、毎朝Tableauの数字に変える(MySQL × Tableau)

自社開発のECサイトでは、注文・会員・商品が orders / members / products といったMySQLテーブルに刻一刻と書き込まれています。経営や店舗は「昨日の売上は」「今月のリピート率は」を知りたいのに、毎回エンジニアにSQLを頼んでExcelをもらう ── という運用は、頻度の上限が人の手で決まってしまいます。

ここで mysql_read の条件式に「注文日 = 前日」をシステム変数で設定し、毎朝スケジュール実行すれば、前日分の受注が自動で取り出されます。集計が込み入る場合は mysql_query_sqlWITH を使った分析クエリをそのまま実行。取得した結果を Tableau 出力へ渡せば、BIツールを一切触らずに、MySQLの一次データがダッシュボードとして毎朝更新される状態になります。「正のデータはアプリのDBにある」という現実を保ったまま、可視化だけを自動化できるわけです。

② SFAで整えた顧客スコアを、基幹アプリに書き戻す(MySQL × Salesforce)

マーケティングや営業の現場では、Salesforce上で顧客のランクや与信ステータス、解約リスクスコアを管理していることがよくあります。一方で、実際にユーザーが触れるサービス(会員アプリやマイページ)のロジックは、MySQLの会員テーブルの値で動いている ── このとき、SFAの判断結果をアプリ側へ反映する作業が、手作業や個別バッチに残りがちです。

Passworkなら、Salesforceから対象レコードを取得し、会員IDをキーにして mysql_upsert で会員テーブルへ同期できます。ランクが付いていれば更新、新規なら追加。ステータスだけを当てたいなら mysql_update で特定カラムだけを書き換えます。SFAは「考える場所」、MySQLは「サービスが動く場所」という役割分担を保ったまま、その間を毎日自動で橋渡しする ── これは単機能のETLではなく、複数システムをまたいで意味のある状態を維持する連携です。同じ発想は リバースETLで顧客接点を自動化するでも掘り下げています。

③ 取り込んだマスタを整え、古い行を安全に掃除する

外部から受け取ったマスタ(商品マスタ・取引先マスタなど)をMySQLに取り込む運用では、「最新版で揃える」と「不要になった行を消す」の両方が必要になります。mysql_upsert で最新のマスタを冪等に流し込み、その後 mysql_delete で「廃番フラグの立った行」だけを条件指定して削除する ── という掃除までを1フローに組めます。削除は条件必須のため、誤ってテーブルを空にする事故が起きません。新しい受け皿テーブルが要るケースでは、mysql_insert の自動テーブル生成で受け皿ごと用意することもできます。

なぜPassworkでDBをつなぐのか

MySQLへの読み書き自体は、SQLを書けば誰でもできます。Passworkの価値は、その読み書きを「条件式・キー・スケジュールで宣言的に定義し、他のSaaS/DWHとの間で組み合わせられる」ことにあります。MySQL単体ではなく、指示書を書くだけでデータ連携が完成する世界のなかで、基幹DBを安全な部品として扱える ── そこが、SQLの手作業との分かれ目です。

04 まとめ:基幹DBを、安全に・宣言的につなぐ

MySQLは、多くの会社にとって「事業の一次データが書かれている、いちばん大事な場所」です。だからこそ、そこからの取り出しと書き戻しは、属人的なSQLや夜間バッチではなく、条件・キー・スケジュールで定義された再現性のあるフローで扱いたい。

PassworkのMySQLコネクタは、

  • 条件式での レコード取得 と、参照系の SQL直接実行 による柔軟な取り出し
  • INSERT・Upsert・UPDATE・DELETE という書き込みの全パターン(削除は条件必須で安全)
  • Tableau・Salesforce・BigQueryなど他コネクタとの掛け算で、可視化・同期・書き戻しまで一本化

を、コードを書かずに実現します。MySQLを「読むだけのデータソース」で終わらせず、連携の入口にも出口にもなる基幹DBとして活かす ── それが、Passworkの連携図鑑におけるMySQLの位置づけです。

アプリの本当のデータを、見える・つながる状態へ。

MySQLからの取得も、他システムからの書き戻しも。
基幹DBの出入りを、宣言的なフローに変えます。

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