在庫数は基幹システムにあるのに、現場が見ているのはkintone ── だから毎朝誰かが基幹から数字を抜いてkintoneに貼り付ける。現場の実績はkintoneに入るのに、基幹への反映は別の誰かが入力し直す。本記事では、この二重入力と手作業の橋渡しを、基幹DB⇄kintoneの双方向自動連携で解消する方法を解説します。オンプレミス・VPC内のデータベースへはVPN接続で安全につなぎます。
01 基幹システムとkintoneの間の「二重入力」
基幹システムは会社の正式なデータの置き場所として、そう簡単には変えられません。一方で現場のUIとしては、素早くアプリを作れるkintoneが圧倒的に使いやすい。この役割分担自体は健全ですが、両者をつなぐ手段がないと、「基幹の数字をkintoneへ転記する朝の作業」と「kintoneの入力を基幹へ打ち直す夕方の作業」が発生します。転記のタイムラグの間、現場は古い在庫数を見て動くことになります。
さらに基幹DBの多くはオンプレミスや閉じたネットワークの中にあり、クラウドサービスから直接つなげない ── これが連携を諦める理由になりがちです。しかしVPN接続に対応したデータ連携ツールなら、この壁は越えられます。
02 基幹DB⇄kintone連携でできること
- 基幹→kintone:在庫・受注の自動反映:基幹DBの在庫数・受注データを、kintoneの現場アプリへ定期反映。現場は使い慣れた画面で最新情報を受け取れます。
- kintone→基幹:現場入力の書き戻し:現場がkintoneに入力した実績・進捗を、基幹DBのテーブルへ自動反映します。
- VPNでの安全な接続:オンプレミス・VPC内のデータベースへはVPN接続で対応(Professional Plan)。MySQL・PostgreSQL・SQL Server・Oracleなど主要なRDBに接続できます。
- 100件単位のバッチ投入とサブテーブル対応:kintone側への書き込みはバッチ処理で効率よく、明細付きのデータはサブテーブルへマッピングできます。
03 連携の仕組み|VPN接続と双方向フローの組み立て
接続(VPNで基幹DBへの経路を作る)
オンプレミス・VPC内のデータベースへVPNで安全な経路を確立します。既存のネットワーク構成を大きく変えずに、必要なDBだけへ接続します。
基幹→kintoneのフロー(配る方向)
在庫・受注テーブルを条件付きで取得し、kintoneアプリのフィールドへマッピングして反映します。更新キーを決めてUpsertにすれば、繰り返し実行でも重複しません。
kintone→基幹のフロー(集める方向)
現場アプリの入力レコードを取得し、基幹DBのテーブルへ書き込みます。方向ごとにフローを分けることで、それぞれの実行タイミングと責任範囲が明確になります。
ポイント:どちらを「正」とするかを先に決める
双方向連携でトラブルになるのは、同じ項目を両側で編集できるようにした場合です。項目ごとに「基幹が正」「kintoneが正」を決め、正の側から一方向に流す ── この原則を守ると、双方向でも衝突のない安定した連携になります。
04 Passworkでの実現方法 ── 現場はkintoneのまま
Passworkでは、DB側の取得・書き込みとkintone側の取得・投入を、同じ画面のフローとして組み立てられます。基幹システムの改修も、kintoneプラグインの開発も不要 ── 現場は新しいツールを何も覚えず、いつものkintoneが最新になるだけです。
連携の実行結果は通知で受け取れ、エラー時にはAIが原因を分析して対処を提案します。社内システムが絡む連携こそ「止まったことに気づけない」が怖いので、この監視の仕組みは基幹連携と相性が良いところです。提供元のPraztoは350社超のデータ連携・導入支援の中で、オンプレ接続を含む構成も多数手がけています。
05 業務での具体的な活用例
在庫数の朝イチ反映(製造・卸・小売)
基幹の在庫テーブルを毎朝kintoneの在庫参照アプリへ反映。営業や店舗は電話で在庫を問い合わせることなく、kintoneで今日の在庫を確認して受注判断ができます。
受注データの現場展開(製造)
基幹に登録された受注を、品目・数量・納期つきでkintoneの製造指示アプリへ自動起票。受注から製造着手までのリードタイムを縮めます。
現場実績の基幹反映(物流・製造)
検品・出荷・作業実績をkintoneで入力し、基幹DBへ夜間バッチで書き戻します。基幹への打ち直し作業がなくなり、翌朝の基幹帳票には現場の実績が反映されています。
06 まとめ:基幹は正のまま、現場は使いやすいまま
基幹システムとkintoneの連携の要点は、VPNで安全な経路を作り、項目ごとに「正」を決めて方向別のフローで流すこと。基幹を作り替える大工事をせずに、二重入力と転記のタイムラグだけを取り除けます。まずは在庫か受注、どちらか片方向の連携から始めるのが定石です。
この記事の構成図は「Passwork連携カタログ kintone編」からの抜粋です
基幹DBとの双方向連携のほか、Salesforceとの同期、BigQueryでの横断集計、FTP・CSVの自動取込など、kintone連携の代表的な構成パターン10種と導入事例をまとめた資料を無料でダウンロードいただけます。無料でダウンロードする
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