データ探索AIとは|「このデータ見せて」で業務データにたどり着く

2026.07.25
データ探索AIとは|「このデータ見せて」で業務データにたどり着く

「あのデータ、どこにあったっけ」——このひと言で止まる時間は、思っている以上に多いものです。PassworkのAIデータ探索は、自然言語で問いかけるだけで、SalesforceやBigQueryなど複数のSaaS・DBに散らばる業務データを横断的に探し出し、その場でプレビューまで届ける機能です。本記事では、その仕組みと業務での使い方を解説します。

01 「データはあるのに出せない」問題

多くの会社では、データそのものは既に存在しています。Salesforceに商談があり、BigQueryにログがあり、経理のExcelやCSVがどこかのフォルダに眠っている。問題は「ない」ことではなく、どこにあるか・どう取り出すかが分からないことです。

SQLを書ける人は限られ、各SaaSの画面操作は担当者ごとにバラバラで、結局は「詳しい人に聞く」か「情シスに依頼する」形に落ち着きます。依頼した側は結果が返るまで待ち、依頼された側は本来の仕事の合間に対応する——この往復のコストが、データがあるのに使われない最大の理由になっています。

02 データ探索AIで何が変わるか

PassworkのAIデータ探索は、この「どこにあるか分からない」を、自然言語の問いかけで解決します。「先月の売上データはどこ?」「この顧客の利用状況を出して」のように話しかけると、AIが接続済みのSaaS・DBの中から該当しそうなデータソースを特定し、提示します。

  • ①特定:曖昧な言葉から、対象となりそうなデータソースやオブジェクトをAIが推論して提示する
  • ②横断探索:Salesforce、BigQuery、Slack、ファイルなど、接続済みの全ソースをまたいで探す
  • ③プレビュー:見つけたデータをその場で確認し、必要であればCSVとしてダウンロードする

SQLを書く必要も、各SaaSの画面をひとつずつ開いて回る必要もありません。「このデータ見せて」で、目的のデータにたどり着くところまでが一直線になります。

自然言語の問いかけから対象の推論・接続済みソースの横断探索・プレビューとCSVダウンロードまでの処理フロー図

03 仕組み|コネクタ越しにAIがスキーマを理解する

AIデータ探索は、AIが業務データそのものを直接推測しているわけではありません。Passworkがすでに持っているコネクタ経由の接続情報とスキーマ(オブジェクト名・フィールド名・構造)を、AIが読み取れる形で参照できるようにしています。「解約顧客」という言葉から、Salesforceの商談オブジェクトの特定のステータスや、BigQueryの特定のテーブルを推論できるのは、この接続先の構造情報があるからです。

そのうえで実際に行っているのは、該当しそうなデータの検索と取得(読み取り)です。値を書き換えたり、他のシステムに反映したりする操作は行いません。探す・見る・持ち出すという読み取り中心の設計だからこそ、業務データに対して安心して使える範囲に収まっています。

ポイント:理解するのは構造、動かすのはデータの読み取りだけ

AIが理解するのはコネクタ越しのスキーマや接続先の構造であり、実際の検索・取得は決まった手順で行われます。何かを更新したり自動で連携させたりする機能ではなく、あくまで「探して、見て、持ち出す」ための機能です。

04 人の役割と権限の考え方

AIデータ探索を使う場合も、どの接続先にアクセスできるかは、そのユーザーに与えられた権限の範囲内です。AIが権限を飛び越えて別のデータソースを勝手に探しに行くことはなく、コネクタの認証・アクセス範囲に沿ってのみ探索します。つまり「誰が」「何を見られるか」というアクセス制御の考え方は、通常の連携フローと変わりません。

その上で人が担うのは、AIが提示した候補が本当に欲しかったデータかどうかを確認し、必要であればダウンロードして次の作業(分析・レポート作成・共有)に進める判断です。AIは「たどり着くまで」を短縮する役割であり、その先の意思決定は引き続き人が行います。

05 Agentic ETLの中での位置づけ

Passworkは、Salesforceやkintoneなどのコネクタをつないでデータをノーコードで連携できるサービスであり、その考え方の中心にはAgentic ETL——現場で動く、対話で操作する、AIが判断するデータ統合——があります。AIデータ探索は、この中でも「まず対象データにたどり着く」という、いちばん手前の入口にあたる機能です。

探し出したデータをどう連携するか・どう自動化するかは、この先のフロー構築やSlackからの操作といった他の機能につながっていきます。読み取り中心で安全なAIデータ探索から始め、必要に応じて連携の自動化へと段階を進めていく——これがPasswork全体で目指している設計です。

提供元のPraztoは350社以上の連携・導入支援実績があります。接続先の構造を踏まえたコネクタ設定から、AIデータ探索の使い方の定着まで、初期構築を1ヶ月のサポート付きで伴走できます。

06 業務シーンで見る3つの活用例

ここまで解説してきたAIデータ探索は、実際の現場ではどのような場面で使われるのでしょうか。営業、カスタマーサクセス、経営・管理部門という3つの立場から、具体的な活用シーンを見ていきます。

①営業|商談前に「この顧客のデータ」をその場で確認する

商談前に営業担当が「この顧客の過去の商談履歴を見せて」と問いかけると、AIがSalesforceの該当データを特定し、その場でプレビューします。レポート画面を開いて条件を絞り込む手間がなく、移動中や商談直前の短い時間でも、必要な情報にすぐたどり着けます。

②カスタマーサクセス|利用状況のデータを横断して探す

カスタマーサクセス担当が「この顧客の利用ログはどこ?」と尋ねると、AIがBigQueryのログテーブルなど、複数の接続先の中から該当しそうなデータを提示します。どのSaaS・DBに保存されているかを自分で覚えておく必要がなく、必要なときに必要なデータへ迷わずたどり着けます。

③経営・管理部門|散らばったデータをCSVでまとめて持ち出す

経営会議の準備で管理部門が「解約理由のデータをまとめて見せて」と依頼すると、AIがSalesforceの商談データとファイルサーバー上の解約理由台帳の両方を候補として提示します。担当者はプレビューで内容を確認したうえで、必要な範囲をCSVとしてダウンロードし、資料作成にそのまま進められます。

営業・カスタマーサクセス・経営管理の3部門がそれぞれ自然言語の問いかけでAIデータ探索を使いデータにたどり着く様子の図解

07 まとめ:データ探索は、依頼するものから聞くものへ

AIデータ探索の要点は、「このデータ見せて」という自然言語の問いかけだけで、複数のSaaS・DBに散らばる業務データを横断的に特定し、読み取り中心の安全な範囲でプレビュー・ダウンロードまで届けること。SQLも画面操作も、詳しい人への依頼も必要ありません。データがあるのに使われないという状態は、こうして少しずつ解消されていきます。まずは、いつも探すのに時間がかかっているデータから、話しかけてみてください。

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